法律事務所でパラリーガルとして働くにあたっては、法律事務所やそこで働く人々について正しく理解しておく必要があります。
特に、法律事務所や弁護士についてドラマや小説のイメージしかない方は、要注意です。本格的に就職活動を始める前に、情報収集をしておきましょう。
法律事務所でパラリーガルとして働くにあたっては、法律事務所やそこで働く人々について正しく理解しておく必要があります。
特に、法律事務所や弁護士についてドラマや小説のイメージしかない方は、要注意です。本格的に就職活動を始める前に、情報収集をしておきましょう。
2004年(平成16年)の法科大学院開設、2006年(平成18年)の新司法試験開始によって、弁護士の数は10年前の1.7倍に増えています。
これに伴い、法律事務所の数も増え、法律事務所間の競争も徐々に激しくなってきています。
各法律事務所では
などの対策をすることで、競争に対応しようとしています。
法律事務所への就職活動を行う上でも、こうした流れを理解しながら、法律事務所でどのような人材が求められているのかを把握し、対応していくことが大切です。
業界がどのように変化しているか、事務所がどんな方向に進もうとしているのか。これを知ることは、自分に合った職場を選ぶ上でも、働き方を考える上でも、大きな助けになります。
法律事務所での仕事に関心があるなら、まずは「今の法律業界」を理解するところからスタートしましょう。
そして、自分がどのような役割を担い、どのような形で貢献できるのかを、少しずつ描いていくことが大切です。
法律事務所とは、弁護士が依頼を受けて法律相談や裁判業務を行う拠点です。
「法律事務所」という文字の使用は弁護士のみに認められています。(弁護士法74条)
規模や方針によってさまざまなスタイルがあります。
実際、国内の法律事務所のうち、弁護士が1〜5人という「小規模事務所」が約9割を占めています。
そのため、働くスタッフにもフットワークの軽さや柔軟な対応が求められることが多いのです。
弁護士数 | 事務所数 | 割合 |
---|---|---|
1人 | 11,436 | 61.92% |
2人 | 3,176 | 17.2% |
3人〜5人 | 2,651 | 14.35% |
6人〜10人 | 808 | 4.37% |
11人〜20人 | 263 | 1.42% |
21人〜30人 | 63 | 0.34% |
31人〜50人 | 46 | 0.25% |
51人〜100人 | 13 | 0.07% |
101人以上 | 14 | 0.08% |
合計 | 18,470 |
多くの法律事務所は、地方裁判所や簡易裁判所の近くに集中しています。
これは、訴訟や申立てなどの手続きに関わることが多く、裁判所へのアクセスの良さが業務効率に直結するためです。
特に都市部では、弁護士会館や裁判所の周辺に複数の法律事務所が集まっている「リーガルエリア」と呼べるような地域もあります。
法律事務所はその専門性の高さから、「知的」「厳格」「誠実」という印象を持たれがちです。
実際、法的知識や正確な判断が求められる職場であり、対応力や責任感も重要になります。
弁護士の仕事は、依頼者の法律問題を解決することです。
主に法律相談、契約書の作成・チェック、示談交渉、裁判の代理などを行い、個人や企業の権利を守る役割を担います。
刑事事件では被告人の弁護を行い、民事事件では離婚・相続・労働問題など幅広い分野に対応します。
法律の専門知識をもとに、トラブルの予防と解決を図るのが弁護士の仕事です。
1990年 | 2000年 | 2010年 | 2020年 | |
---|---|---|---|---|
1人平均売上高 | 3,060万円 | 3,793万円 | 3,304万円 | 2,058万円 |
全会員数 | 13,919人 | 17,500人 | 28,789人 | 42,800人 |
市場規模 | 4,259億円 | 6,638億円 | 9,512億円 | 9,249億円 |
※「自由と正義」VOL42、53、62及び「弁護士白書」のデータから算出
弁護士になるには、司法試験に合格し、司法修習を終えて弁護士登録をする必要があります。
一般的には、大学卒業後に法科大学院を修了し、司法試験に合格するルートが主流です。
別の方法として、予備試験に合格すれば法科大学院を経ずに司法試験を受けることも可能です。
弁護士というと、「頭が良くて頼りになる」「正義感が強くて堅い人」という印象を持つ方が多いようです。
スーツ姿で冷静に法律を語る姿は、知的で厳格なイメージにつながります。
一方で、身近なトラブルに寄り添ってくれる相談相手という、親しみのある存在でもあります。